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御覧いただきありがとうございます!大学一年生で読んだ本の感想や好きなアニメやゲームの考察なんかをやっています。

【PSYCHO-PASS】サイコパス3期 第2話 サブプライム問題ガチ考察!!

はい、というわけで、第一の事件である。大量移民を利用した住宅ローンの不正事件が幕を閉じました。

 

これまでのサイコパスは、シビュラのある世界というある意味で空想上の世界ならではの事件を中心として、「正義」の形について社会に問いを投げかけていました。

 

しかし、3期ではそれよりもより今の現実社会に近い問題をテーマにしているのでよりリアリティが増したというかアニメを通して現代の社会の問題を表現していこうという姿勢がこれまで以上に感じられます。

 

その証拠に、バブル経済の仕組みについてアニメでは常識外れの4分5秒81という長さを使っています。これはアニメ本編の全体の尺が43分であることを踏まえると、本編の約10%をこの説明に費やしています。アクションシーンなどを除いてキャラたちが会話しているシーンだけで考えるとその割合はもっと大きくなるでしょう。それだけ、社会問題に本気で取り組んでいたんですね。

 

というわけで、サイコパスのファンとしてこの思いに答えなければいけないという義務を切に感じたので(笑)今回はこの点についてガチで考察していこうと思います。

 

ちなみに、ストーリーについての考察はこちらにあるので、ぜひこちらを見てください!

 

strix-zero.hatenablog.com

 

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では、さっそくまいりましょう!!

(筆者は経済学の専門家でもなければ、経済学部でもありません。ド理系が趣味でたしなんでいる程度なので正確性になるべくは考慮しますが、すべてが正しいとはかぎりません)

 

あと、バブルの話はもう知っている!という方はぜひバブルとサイコパスの考察を読んでみてください!

 

バブル経済おさらい

雛河くんのホロのおかげでかなり理解できたかとは思いますが、補足説明を加えながら振り返っていきましょう。

 

バブルの始まりは緩やかなインフレから起こります。

 

そのときに土地や車などをローンを組んで買う人が増え始めます

(インフレ時は徐々に物価が上がるから先に買っちゃう方がいい)

 

それを見て多くの人がローンを組み始めます。

(如月さんのような低所得者の一部も含め)

 

そうすると、需要が増えるわけだからより土地や車などの物価が上がります。

 

それを知った銀行が「サブプライムローン」を作り低所得者で返済の見込みの少ない人にもローンが組めるようにします。(なぜなら、最悪返済されなくても物件を差し押さえして売れば、儲けることができるから)

 

そうなると、多くの国民がこぞってローンを組み始めます。

 

 

(ここから、面倒くさくなってきます)

 

 

その前に「サブプライムローン」について補足説明をしましょう。

 

サブプライムローンとは、ローンを組んで数年の金利をめちゃくちゃ安く抑えることで、低所得者でもローンを組めるようにしました。しかし、その後、その分を取り返すかのように急激に金利ががるので、低所得者層は返済できずに破産してしまうのです。

しかし、数年の間でも借家に住んで家賃を払うより、ローンの返済のほうが安かったり、ローンの返済ができなくなっても物件を売ることで黒字にすることができたりしたので、人気が出たというわけです。

 

 

では、バブルの解説です。

 

そんなわけで、サブプライムが大流行しました。

 

銀行としても地価が上がれば、儲かるわけだからバンバン債権を発行していきます。

 

ただ、やっぱり返済能力の乏しい人の債権はやっぱりちょっと怖い。

 

 

そこで、投資銀行CDOという、玉石混交な債権を新たに発行しました。これは、サブプライム債権という危険な債権と一般の返金が保障されているような安心できる債権を組み合わせることでうまくリスク分散をさせる新しい債券です。

 

これによって、今までは危険だとみなされていたサブプライムの債権(格付けB)に少量の良債権(格付けA)などを混ぜることでCDO(格付けC)みたいなのを作り出しました。

 

そして、さらにCDO(格付けC)に少量の別のCDO(格付けAA)を混ぜてCDO(格付けA)みたいなのを作り出しました。

 

これを繰り返すことで、中身はほとんどサブプライムの債権なのに格付けAAAという超安心という保証を受けてしまうCDOが出来上がります

 

こうして一見、超安心の債権が投資銀行によって大量に作られ、それを多くの金融機関が購入しました。

 

しかし、世の中そんなにうまくはいきません。

 

徐々に家を持つ人が増えて需要が減少してきます。

 

そうなると、地価の上昇はなくなり、これまでは「最悪家を売ればいいだろうw」

なんて考えていた人たちがことごとく返済不能に陥ります。

 

あとは、わかりますよね。

こうしたサブプライの債権でできたCDOを買った金融機関がその損害を被ることになり、リーマンブラザーズといった超大企業さえもが経営破綻になり、みんなが経済に不安を覚えてなるべくお金を手元に置いておこうとするために急激なデフレが起きてしまうのです。

 

 

サブプライム問題とサイコパス考察

さて、今までバブルの発生から崩壊までを振り返っていきました。

 

唐之杜さんは、「旧世代のシステム、120%違法よ」

と言っていました。

 

なるほど、確かに結果的には、そうかもしれません。

 

 

でも、そんな危険なやつをシビュラが見逃すかな?

 

ここで、今回の事件を整理してみましょう。

 

公安局がこの事件に介入した理由は、リックフェローズ氏の死が殺人である可能性があったためです。

 

結局は殺人であり、その動機はバブル経済を引き起こそうとしていることがバレたからです。

 

ですが、殺人に発展するかはリック氏の行動次第だったから誰も色相が濁らなかった。

 

というわけです。

 

ふむふむ、うん?

 

疑問1:仮にリック氏が死んだのが偶然だとしてもなぜ、色相が濁らなかったのか。

この理由は、殺すつもりはなかった、ただちょっと脅せればよかったと考えていたとするならまぁ、納得できます。

 

疑問2:違法システムといわれるようなことを計画しているのになぜ色相が濁らなかったのか

今まで、執行されてきたような奴らが人殺し連中ばっかりだったのでもしかしたら詐欺程度の小物犯罪は犯罪係数では特定できないのかもしれません。

 

しかし、こう考えてはどうでしょう。

 

シビュラはバブル経済を悪だとは判断しなかった

 

そもそも、バブルってホントに悪いんですかね?

 

確かに先ほどの説明だと無計画にポンポン金を貸し出すから、返済不能になった人が増えて会社が倒産!って感じでいかにも悪そうでしたが、それだけでしょうか。

 

僕は完全にデフレ世代(?)ですから、バブル期を知りませんが、大人の中には「あの頃はよかった」と言っているような人を見かけたことはありませんか?

 

そうなんです。バブル経済は仮に一時的であったにせよ、かなりの経済成長を促しました。

 

なぜこのような好景気が起きたのでしょう?それは大量のおカネの循環があったからです。おカネが消費を引っ張り、消費が生産を引っ張り、経済規模がどんどん拡大する。生産能力の限界までフルに回転する。

 

人々の賃金は伸び、消費は拡大し、雇用は人手不足が社会問題になるほどでした。ブランド品が流行し、高級車が飛ぶように売れる。安物の商品は見向きもされず、高付加価値の商品がどんどん売れる。これだけ景気が良くなると税収が増えるのは当然です。さて、バブルが悪いものだとしたら、この状況も悪い状況なのでしょうか?

 

そんなはずはありません。少なくとも人手不足にもかかわらず、賃金が伸びない、デフレに備えてとか言って内部留保を増やしている企業や国がある現代に比べれば幾分もましでしょう。

 

では、どうしてバブルが悪だと言われているのか。

 

それは、「信用資産」が増えてしまったからでしょう。

 

つまり、何の根拠もないのに民間が債権という形でお金をいわば作ってしまったことです。

 

そして、人々は自分たちの生活が危うい資金によって成り立っているというその異常性に気づいたとき、その危ない「信用貨幣」を捨て去り、一気にお金を貯めこもうとしたため、経済から「信用資産」だけでなく、本物のお金までもが消えてなくなってしまい急激なデフレになってしまったのです。

 

どうすればよかったのでしょうか。

 

僕は、国が「信用資産」ではなく現物の貨幣をもっと生み出せばよかったと思っています。

 

そうすれば、安定した経済圏を作り出すことができます。

 

なぜなら、一度流通したお金は簡単にはなくならないので、必ず経済を回し続けてくれます。

 

もちろん、そこにも問題があり勝手に国が貨幣を作りすぎると今度は貨幣の価値が下がり、物価が以上に上昇してしまう、スーパーインフレも起こりかねません。

 

しかし、それはあくまで生産量に対してお金が多すぎた時に起きる問題であって経済が成長しているときに限って言えば「信用資産」に頼るよりも何百倍もましだと言えるでしょう。

 

なぜなら、繰り返しになりますが、「信用資産」は国のお金が足りないから生まれてしまったともいえるからです。

 

そして、シビュラはこの貨幣の流通をコントロールできる自信があったのではないでしょうか。

 

これまでの人間による支配ではなく、複合知性体という人間をも超えた存在だからこそ。

 

バブル経済を与根原たちに作らせ、その需要に合わせて完璧に経済を取り仕切ることができれば理論上安定した経済成長を見込むことができます。

 

そして、移民が一気に押し寄せ、物価が上がらざるを得ない状況だからこそ、シビュラはバブル経済に頼ろうとしたのではないでしょうか。

 

 

実際には、公安にばれてつかまってしまいますが、決してバブル経済を作った疑いで捜査されていたわけではないということも一つ面白い点ではないでしょうか。

 

いろいろ書いてきましたが、いかがでしたか。

 

まだまだ、ポンコツなので間違っていることもあるかもしれませんが、コメントで教えていただけるとうれしいです!!

 

それに、いや、違う!!という意見なんかもぜひお願いします。一緒に議論しましょう!

 

需要はなさそうですが、一人でも僕の考察(妄想)に付き合ってくれた方がいると嬉しいです!!!